谷中喃々堂


谷中、ときどき京都
by kitokito-kamome
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月と六ペンス

今回の上洛の目的、ひとつめ。


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二条高倉のカフェ「月と六ペンス」で、サマセット・モームの『月と六ペンス』を読むこと。


昼過ぎに京都駅に着いて、JR伊勢丹の三省堂で『月と六ペンス』を買ってから、
カフェに向かいました。

アパートの一室。普通に誰かのお宅みたいです^^;
扉を開けてもいいのか迷いながら、OPENの文字に背中を押されて中を覗いてみました。


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やさしそうな店主さんが、どうぞ、と案内してくれました。
部屋の中、3辺の壁にそって、ぐるり並んだ机たち。
その机の上には、たくさんの文庫本や単行本が連なっていました。


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ナスとベーコンとチーズのバゲットに、ブレンドを注文。
バゲットの生地が、めっちゃおいしかったです。
カリッもちっのお手本のような食べ応え^^


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なんとなく、コーヒーは主張の少ない地味目の味ではないかと飲む前に思っていたのですが、
意外にも華やかな色彩を帯びた口あたりでした。
コーヒーが喉を通った後、思わず目を本のページからコーヒーカップにうつしてしまいます。


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並べられた本の背表紙を見ていると、店主さんの人となりが朧気ながらわかってくる気がします。

わたしの読書エリアと重なる部分はほんの少ししかなかったけれど、素敵なセンスでした。
こういう男の人って、なんか色気があるかも^^


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モームの『月と六ペンス』は、外国小説をほとんど読まないわたしにとっては、
ちょっと取っつきにくい冒頭部分でした。
このカフェがわざわざこの小説の題名を冠していなければ、
決して読むことはなかったと思います。

カフェの店主さんに対する信頼だけで、多少ガマンしつつ読み進めていくと、
次第にストーリーに引き込まれていきました。




モームがこの本を書いたのは1919年。
イギリスで、発表後、空前のベストセラーとなったそうです。

ここに書かれている感情や、他者に対する価値観は、
現代の日本にいるわたしが読んでもそう違和感はない気がしました。


物語は、ある画家について、彼と生前交流のあった主人公が、
画家の死後に彼について書き記したという形をとっています。
(モームは、ゴーギャンの伝記に触発されてこの物語を書いたとか。)

不可解であったり、すっきりする簡単なストーリーで説明できないことに対して、
人は反射的に排除しようとすると同時に、実は魅せられてしまう。

画家と距離をおきつつ、それでいて彼に近寄っていかずにはおれない主人公に、
読者は深層心理で共感してしまうのかもしれません。


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カフェでは、店主さんがデザインされたブックカバーがテイクフリーで置かれています。
デザインは全部で3つ。

最初入ったとき1ついただき、帰り際に「もう2種類もいただいていいですか?」とお伺いすると、
快くオッケーしてくださいました。

このブックカバー、使っているとけばだってくる紙の風合いが、また楽しいです♪


自分の家の近くに絶対欲しいな、こういうカフェ。。
みなさんここを訪れるときは、是非おひとりで、本を携えて行ってくださいね☆


***

カフェ「月と六ペンス」、あまりにも気に入ってしまって、文章が長くなってしまいました^^;
ほんとうはもっと書きたいことがあるくらい。大好きな空間です。

昨日は『月と六ペンス』を片手に、気づいたら寝てました(笑)
あと少しで読み終わりそうです。
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by kitokito-kamome | 2009-12-23 00:13 | 京都
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