谷中喃々堂 |
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お寺の片隅に、眠る美人の姿あり。
谷中のあじさい寺といわれる長久院の入口に、海棠の木があります。 高校生の頃、現国の授業で、あるエッセイを読みました。 鎌倉のとあるお寺で、海棠の花がこぼれんばかりに咲いている。 それをただ眺めている。 そんな文章でした。 登場人物のことや、どういう文脈だったかは、まったく覚えていません。 境内にはらはらと舞う淡い花びらと、「海棠」という言葉のうつくしさが印象的で、 わたしは実物の花を知るより先に、エッセイの中の海棠に心惹かれました。 卒業してから見た本物の海棠の花は、あまりにイメージにぴったりで。 あのとき読んだエッセイは、小林秀雄の『中原中也の思い出』だったと知りました。 海棠の花を見るたび、教室に左側から陽がさす中、 わら半紙にコピーされたエッセイを読む高校生の自分を、 ぼんやりと思い出すんです。 *** 家のパソコン環境が復活しました。 前のパソコンをもってビックカメラに相談にいくと、もう寿命です、とのこと。 6年使っていたので、買い替えることにしました。 壊れたパソコンをお見せすると、店員さんがみな「十分働きましたね」と 妙にうれしそうな顔をされていたのが、なんだかこそばゆかったです^^
by kitokito-kamome
| 2011-04-25 21:13
| 日々のこと
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