谷中喃々堂 |
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春ごとに花のさかりはありなめど あひ見むことはいのちなりけり。
先日直木賞を受賞された、葉室麟さんの小説を読みました。 受賞前から、おもしろいと母から薦められていたこともあり、 受賞作ではないのですが、本屋さんでこの文庫本が目に留まりました。 「伝えたいことがあり、聞きたいことがあるのを恋というのでしょう」 忍ぶ恋、というテーマって、なんだか心惹かれてしまいます。 葉室さんの小説の世界は静謐な空気に満ちていて、大人の時代小説なのだと思います。 長い冬の夜に、ゆっくりとページをめくるのが似合う物語でした。 わたしが一番好きな時代小説作家は、隆慶一郎さんです。 中学生のころに初めて読んで以来、何十回と読み返したため、本がよれよれです^^; (吉原御免状は買いなおしたので新しいのですが) 道々の輩、公界人、いくさ人・・・。 上ナシの心をもった漂泊の民の世界に、彼ら・彼女らの生き様に、しびれました。 葉室さんも良いですが、やっぱり隆さんの作品にはかなわないなぁ。 でもいつか、隆さんの作品を超える時代小説にも出会ってみたいんですよね。 『いのちなりけり』を読んで、同じく鍋島藩の武士たちを描いた 『死ぬことと見つけたり』を読み返したくなりました♪
by kitokito-kamome
| 2012-02-28 01:07
| 日々のこと
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